詩の鑑賞会

okimituki2006-03-13

 今夜はとても冷える。せっかくなので先日借りてきた谷川さんの詩の鑑賞をしてみます。タイトルは「シャガールと木の葉」比較的新しい詩集です。ちなみに谷川さんに出会ったとき私は中一で、俊太郎(シュンタロウ)が読めませんでした・・・)


歩く
              谷川俊太郎

歩いている
自分の二本の脚で歩いている
いつか歩けなくなるとしても
いまは歩ける幸せ


歩いている
曇り空の下を歩いている
用事はあるがそれはどうでもいい
どこからどこへそれは分かっている


この路地は大通りへ通じていて
大通りは盛り場に通じていて
盛り場は海へそして他の陸へと続く
そのどれもただ通り過ぎるだけ


歩いている
このささやかな喜び
たとえ心に何を隠しているとしても
脚はこの星を踏みしめている



はな
             谷川俊太郎


うまれるまえからみていたはな
おもいだせないもどかしさ
かいているとえふでのさきが
みえないはなのすがたにふれる


はるごとにうまれるいろとかおり
すぎゆくときとまぐわいしている
このはなばなのやどすたねは
ひとのこころであやしいみをみすぶ


ひびのくらしはゆめにとけ
いちじんのかぜにふきちらされる
ほしいままにほろぶはなのすがたを
しんだあともわすれられない


 もう10年位前詠んだ歌なのだけど、想いだしたから

そっと耳打ちをしたらばさっと消えるのよ花はなんども生まれることを 
                           小軌みつき
 
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題詠100首blog 本日の投稿分

021:美        
           オヴラート光よろめく痛がりのダメージをこそ美徳とおもえ
                                    小軌みつき
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022:レントゲン    
        こわれたいもとのかたちにもどれるならばレントゲン室の瞬間放射
                                    小軌みつき
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