幸福な作品のゆくえ

okimituki2006-03-10

 今夜は待望の安楽椅子探偵・解決編です(犯人わかっちゃった。また明日書きます)

 この間から思っていたのだけど、月曜に「名探偵コナン」今日なんて「探偵ナイトスクープ」から「時効警察」「安楽椅子探偵」と3番組連続で観るとなると、推理とか探偵、刑事ものってやはり娯楽の王道なんだなぁ・・・。そういえば高校の時は、夕日が暮れていくシーンのクロードチアリの曲をいつも聞いて安心してた気がする、あれも刑事モノだったんだ。なんだかんだ自分では気がついていなかったりしてたのだけど、もしかしたら好きなのかも知れない・・やはり謎解きって魅力ある


 「時効警察」もなかなか面白い感じだった。でもだいたい何かをしていてちゃんと観れていませんでしたが最終回なので、いつもよりかはちゃんと観てみました
 オダギリジョーくん扮する時効警察課の霧山が時効になった事件の謎を解き明かし、犯人を見つけた後に[誰にもいいませんよ]カードを渡すという一風変わったお茶目な推理コメディ
 イケメンオダギリがわざと見かけをダサくするために、黒い髪をくるくるパーマにして、黒ふちめがねをかけつんつるてんのズボンをはいていても、やはり限りなくオダギリジョーなのだ、というのを証明するドラマに仕上がっていたのではないでしょうか。某信販会社CMの「どうする?どうする?つづく」の茶目っ気オダギリのキャラがまずあって、脚本が書かれたのではないかという気が強くしました
 最終話は音楽の才能にあふれたモーツァルトの再来と呼ばれた男・雨田潮(ローリー寺西)が恋人だった女・冴島翠(りょう)に音楽の才能を妬まれて殺害される。雨田は当時別にアンズという風俗の小娘とつきあっていて三角関係。じつは冴島の手元には殺害後、前半部分のみの未完成な楽譜しかない曲があった。やむおえず最期に発表することにしていたが、その曲の後半を冴島自身が作曲してしまった。しかしアンズがその最期の未発表曲を後半もフルで覚えており、専門家の鑑定で冴島の後半は明らかに陳腐でふつりあいだと判断されてしまう。雨田を殺害後の冴島は年1回の楽曲提供だけでカリスマ的評価を得てきたけれど、このことでこれまでの楽曲が、すべて雨田の遺作であり盗作だったとばれてしまう
 そこでなぜ雨田がダイイングメッセージとしてサリエリモーツァルトを殺害したと口走ったという才能に嫉妬した男の名)という文字を残し、捜査を男に見せかけかく乱させるようなことを、わざわざしたのかという点を疑問視し、それは雨田の愛だったのかと冴島が問うのだけど霧山は「それは作品に対する愛ですよ」とさらっと言ってのける。雨田は「あなたがつかまると作品が世に出なくなる」だからつかまらないように仕向けた。「作品というのは誰が書いたかということより、世にでることそのものが重要なのだ」と

 そう存命でなくなるなら作品とはそうなるのが幸福なのだと思う。だけど存命ならば限りなく作品やそれに付帯するものはきっちりと本人が護(まも)っていかなくてはならない、とそこまできて今日伝えられた村上春樹氏の生原稿流出による高額取引及び出版サイドのモラル欠如から想起したしだいだった
 
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 題詠100首blog 本日の投稿分
 
018:スカート  
   チェシャ・ネコのすがたがアリスのスカートがゆっくり消えるきんいろの午後
                                 小軌みつき
          
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019:雨
       首すじをらせんのように降りる雨うつろな発芽を待っているのよ
                                 小軌みつき
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