春も虚無感もふみこえて

okimituki2006-02-27

  明日(厳密には今日)の朝はまた少し冷え込むそうで、早く暖かくなって春めいてこないかななんて思ってみたりするんですけど、春になる、となると思うとなにかこう始めたくなりませんか
 まぁユーキャンで通信講座とか、いま流行なのかもう若干ズレたのかデトックス(体の中の毒素を出すとかいう)とか、ピラティスとか初おひとりさまとか、ペットを飼ってみるとか髪型を変えてみる・・・もろもろ
 なんでもいいからそういう気分一新ななにかをちょっぴり齧ってみたりしたくなるために、まずそこにあってほしいのがまぶしくとろりとした春の誘うような陽気で、次にそれに便乗しつつ春の装いを身につけようものなら浮かれて外を歩いてみたくもなるというもの(それがただの近所への買出しでも、なんだか気分はスプリング♪と)


 で、そういうに過ごしててふっと自分が緩むことってあるんですよ
 私の場合はだいたいゴールデンウィークあたりにじんわりそれがやってくるサイクルになっているわけですが、その時に威力を発揮するのが部屋の模様替えです
 大きな食器棚のたぐいもぐいぐい動かして位置がどうにもならなくて、翌日にまたもや変更なんてのもやりだしたらしょっちゅうで。近年はもう一人左官屋も経験し、しっくいは塗るわ石膏ボード切ってレンガ状のものをつくって貼り付けてマントルピース(暖炉)みたいなタナをこしらえたり、机のタイル張りから、その机の脚さえも思い立てばいきなりホームセンターでノコギリ買ってきて切ってしまい、座卓にしたりしてしまうような大胆劇的ビフォーアフターなことをある日突然感覚のみでしてしまうほうです(むこうみずね)

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 そのさきぶれとしてだったかどうかわからないけど一人暮らしをはじめてまもない若い頃、部屋中の品々を真っ黒に塗ってしまったことがあって、買ったばかりで当時まだ4万もした留守番電話も(あの小さいカセットみたいな、マイクロカセットっていうのかなぁ・・がはいっていた)ペンキで塗りこんで受話器が上がらなくなりほとんど会話らしい会話もしないうちに即効で壊したし、スチームアイロンもまわりじゅう塗りこめたおかげで、小穴がつまって蒸気が出なくなりあげくただのアイロンになった。(それでもまだ持っている物持ちのよさ)またさわやかなペールグリーンだった冷蔵庫の扉も一夜にして食欲も失せるようなまっ黒けになってしまった。(それは注意して塗ったので、使える状態ではあったのだけど)

 でもペンキって魔法。塗り出したらもったいないから手当たりしだい塗りまくる(私にペンキの刷毛を持たすなかれか)気がつくとまわりは純黒の世界になっていた。(私は当時、服飾専門学校に通っていたので、当然のごとく愛読書はananだったし、過分にそのインテリアその他のページにインスパイアされてしまっていたのだろう)
 そこまでくると、もうこうなったらとますますエスカレートし、東急ハンズへいそいそと出向き、それっぽいインテリアにしちゃえとモダン系な椅子やらシェードなんかをチョイスしてまぁ、けっこうな散財をしてしまってから、ハッとして部屋を見回して あれっ、なんだか自分に合ってない!ということにやっと気がついたりしていた

 それでもやらないよりかは、やはりやったほうが良かったと思った
 あの失敗の経験があればこそ、どんなのが自分は好きでどんなのが合うのかとかわかってきたりするきっかけになったからなんだけど
 そういう意味では貪欲だったのかな

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 で、そんなこんな試行錯誤・七転八倒していて それでもすっごく若さゆえにいきづまってしまって迷いのゾーンに入り込んだ時 手にとった本の中に自己実現の方法みたいなものが載っていて、読んだ当初と言うのはそんなものかなという半信半疑だったんですけど、じつはそれがいまだに自分の中でほそぼそと活かされているような気がするんですね

 本の内容はすっぱり忘れちゃいましたが、大体のことは身についているので書いてみると

メモ用紙など紙を用意する  → 真ン中に自分がしたいと思うことを書く → 周囲にそれを実現するために何をしたらいいか放射線状に8つ書いていく(何故8つなのかは不明で、別に7つでも10でもいいんだと思うけど・・そのくらいは考えたほうがいいということかな)                                             
確かそんな感じだったと思います

 これは真ン中に「デートする」と書いたら、それをよりよく盛り上げる8つの要素を列挙して
 たとえば1.春らしい服を買う2.新しく出来たヘアサロンでカット3.靴を箱から出して磨くetcどんどん8つ書き出して行って、それが出来たら今度はそれをひとつひとつ実行していくと、最後に自分がしたいと思ったデート像や、理想的なデートのための姿を手に入れているというものなんですけどね(だから真ン中は弁護士になるでもいいし、やせるでもなんでもいいデス)

 これと逆なことは、ありあわせ料理の時に使えます。冷蔵庫とか乾物とかいまあるものをとりあえず思い出すとか調べるとかして(放射線状8つの部分)を先に書き出すと真ン中に何ができるかが浮かび上がるというもので、卵、鶏肉ちょっと、のり、ねぎ、ごはん、たまねぎとかだと「親子丼」とかそういう感じ(ちょっと連想ゲームちっく)

 そういうのを頭の中で想像できるようになると書かなくていいし、それなりに窮場に便利(任天堂DSよりも脳のトレーニングになるかもしれません)

 生活や仕事は取捨選択と優先順位の判断を同時進行よろしくやらされる場がけっこうあるので、なんかごちゃごちゃしてきたなという時はこんな方法だったり、模様替えから得られる考えとしては「縦がダメなら横にしよう!」という同じモノでも発想の転換をすることで道が開けたり
 春の大いなる意欲のあとにくる空ぶりの虚無感を、そうやって柔軟に乗り越えてみるってのも一案では