違和感協奏曲

okimituki2006-02-25

日常の中で妙な不安を感じるのが番組改変の時期だったりする(あーもうじきなんだなぁ)
毎日、毎週のサイクルが視覚的に影響を受けて自分のなかでじわじわ狂うのでなんだか日々の行程すべてがフワッとしてしまう気がして、その間は落ち着かないのだ
 (以前それと同じようなことを歌手のaikoちゃんが言ってるのを聞き、あーこれって自分だけじゃないんだと嬉しくなった)

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 あと一般的には入浴はリラックスするとかいうし、そういうのを最近でこそ少々感じられるようにはなったとはいえ いまでもあまりゆったりはできない、もともと水場に弱いのかもしれない

 それというのも素足の裏に冷え切ったタイルとか温泉ならぬめった岩とか、プールの汚れたつるつるのすのことか、どうも足の裏が拒否感を訴えるのでできるだけ、ざらついたところに足を置きたいと思う
 だから木製すのこかプラスチックでもしぼのあるようなものを自宅では使っているが、それらはもともとは滑らないようにと施された加工なのでそれに助けられている感じ

 うちの浴槽は本来はシャワーマット(というシャワーの真下に敷くべくして作られ販売されているもの)の白いシェル型がいくつか浮き出たぽこぽこラバーマットを浴槽の中に沈めて足裏違和感を回避しているので、たとえばホテルとか泊まるとそれがないからやはり足の裏が気になってしまうのが否めないのだ
 それと入浴中は当然衣服がなくてとても無防備な時間だからというのもあるかな。昔、ニュースで森永製菓の社長さんが拉致された時というのが確か入浴中だった。それの空想映像がどうしても頭から離れなくて、自分はどこかの有名企業の社長でもないし、なにか狙われるようなこともないはずだしといくら繰り返し思ってみてもダメで、あれからよけい入浴というのが一般のそれとは違うような気がする感じになってしまった

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 それと繊維のなかでも拒否反応のあるものがある。いわゆる学生時代に着用せざるを得なかった体操服のジャージ、トリコットと呼ばれるあのナイロンの人工的なぬめりやテラテラ感だった
 体育が好きでは決してなかったということだけでなく、あの繊維を身につけると思うだけでもどうもなんだかなとめいりそうで逃げ出したかったし、なんで、なんでこんな服でなかったら運動はできないんだ う〜っと一度くらいトチ狂って叫び校庭を走り出したかったくらいだ

 その鬱積というのは、そのジャージを自宅に帰ってなおも私服化するということを多数の周囲がしている現象を知っていたし、私にとってそれは信じがたい行為でしかなかったわけだが、そういう人々が多い以上少数派(もしくはたったひとり)の自分の感覚をどう表現していいかわからなかった。私としてはあの繊維をともかくも遠ざけていたいだけで精一杯で、結局はそのことは誰にも言えずじまいだった

 大人になってからもウインドブレイカーとかダウンとかは、やはりそういう拒否反応がでるのでできるだけ恋人には着用禁止にしたいですね

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 人によってそういうちょっと変わった不安なコワイモノを持っているというのは、いわば自分を知る指針になったりする的な扱いでそれとなく自覚しつつ、つきあってきているわけなのだけどなかなかこれが気持ちワルくて私的にはコワイんだよぅ じつは不安でばらばらになりそうなんだとはきっぱり断言できないものです

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 そういうなかでうちの息子にもそういうものがかつてあったというハナシを少し前、写真を見ていてそれとなく会話したことがあった

 あれは京都のある畑へいちご狩りに出かけたときのこと たしか1歳半くらいだったと思うけど、息子はビニールハウスに着いてさぁ〜いちご摘むよ!という段になっても、いちごを摘もうとはしてくれなくて ただじっといちごの植わっているところの間のあぜのところにしゃがみこんでいちごをちょろっと見るとか指でちろちろっと触るだけで、こうやって摘むんだよほら、ほら とか見せてみてもまったくじっとしてて、ちっともはしゃぐとかもなかった
 その時の写真をみてて たしかにあの時せっかくいちご狩りをさせてくれる農家をさがしてわざわざ連れて行ったのに、息子はあまりうれしそうじゃなかったなとか思いはしてたけど、それについて息子本人からその時のことをしゃべってくるとは思わなかった(だってそもそも1歳半の時のことなんて覚えてるのだろうか。それとも写真を見て、その時の状態が息子の中で想起されたのかはちょっと不明)             
 「あの時ボクはこのいちごのつぶつぶがコワかったんだよ」
 「でもいまではおいしいから大好きっ」

 そんなものが誰にもあるのかもしれない 一時期のことに終わるか、ずっと引きずるようにそれが続くかはわからないけど