まどろみの楽園

昔のみるこに似たコ

  モノ心ついたときから 
私の身のまわりにはいつも猫がいた
だから私なりに猫と心を通わせることができる
 人間よりうんと得意だ たぶん
 

 猫は気まぐれで思い通りにならないなどと言われるが
うちに来た猫たちはみな
私の傍から離れようとはしないくらいなついて
複数匹いると息子と猫数匹で私・争奪戦になる
 そのくらいもうべったりなんで
いつも子どもがいない時は私のそばで寝ている
それ以外は子どもがうるさいので非難して私の布団で寝ている


 いまうちにいるのは一匹のアメショー(アメリカンショートヘア)の雑種で
名前はわたしのうちではじめてあげたのが
冷蔵庫にあった北海道富良野産牛乳だったためミルクになり
それからうちに来たコはみな乳製品シリーズの名前がついた
 ミルク ヨーグル チーズ クリーム・・・


 最初からいてて いまでは一匹になったそのミルクことみるこは
シンクの中で水道から流水を舐めていたり
エサ〜エサ〜エサくれ〜と駆けずり回ったり
そういうのは見ていて時にうっとうしいけど、やっぱり可愛い


 みるこは拾ってきた時から美人猫で中山美穂みたい(自画自賛)と思ってきたんですが、いまは還暦なのでそれなりです
寝てると顔が横にだれてしまって高木ぶーみたいな割合も増えてきました
 でも窓の外を眺めていると通りかかった知人にキレイな猫がいてるねと言われたりするので本人(猫)もまだまだその気だと思う


 気位が高い 野生が強い たまに家出して外で闘っても必ず勝って帰ってくるなど気性の荒い面とうらはらに私の前では別猫です


 以前は写真を撮ったりしていたんです
(ブログナンバー1の「はっちゃん」みたいにはなれませんでしたけど)一回だけ、某通販の 日めくりにゃんこカレンダーに登場しました
 その時のしおらしい表情は私の前だけでしかしないものだったと自負しているくらいの女優ぶりでした
 セピアに染まってクリスマスリースの中に入ってうつむいてロマンチックな猫を演じていたつもりなのに
 私がコメントを書きぞびれたため ありゃってのがついてたのは拍子抜けだったけど・・ね


 そうそうそれにみるこはすこぶる猫としてのプライドも高い
 パンッと高所に飛び上がったり、飛び降りたりするところで
ちょっとでも失敗したり物を落としたり、自分がぶざまな着地になったりすると
すぐ二階に上がって ひとり猫反省会 をしてブランクを置いてからし
私の前に登場しないくらい  
 (そういう時はそっとしとくのがいいね 人間と同じかな・・)


 主の私に忠誠を注いでいて
 階段を下りてくると途中でにゃんにゃーんと数回啼いてごあいさつ
私の傍にきてまた啼いてお話(お腹すいたとかそういうことらしい)
本来猫はあまり用もないのに啼かないんだとか
 その後コタツにもぐりこんで私の足の傍で寝るか コタツの私の横で寝る


 だからトイレとか風呂とかに行くとついてくるし呼びに来る
ほっとくと風呂場の足拭きマットに鎮座して、私の風呂上りを待っていたりする

 
 私には鼻をよく指で圧されるのだけど
(鼻をぷっちゅんってするのが好きなのだ)
それでもじっとしている 
むしろ喜んでいるようにすら見えると言われたこともある
それで鼻ぷっちゅんをすると何回かに一回みるこは、くしゃみをする
私はくちゅんっとかぷちゅんとかうまくくしゃみができると
みるこをめちゃくちゃに撫でまわしてほめるから、またうれしそうにする


 ひげもハサミでチョキチョキ切る 
私だけはハサミを近づけてもゼンゼン逃げない
適当にそろえてあげて いいコいいコすると満足そうに目を細める
 ふだんはひげをぴんぴんとひっぱる それでもちっとも嫌がらない
 耳もぴんぴんとする 微動だにしない
肉球をきゅっきゅぅうと圧しても
 しっぽをひっぱっても 
ごはん食べてるとこ見ても みるこのトイレを見ても、平気みたい
(本来猫はそういうのをとても嫌がるのだそうです)


 私がおしゃべりするとみるこはしっぽを振ってお応えしてくれるといった具合にいつも寄り添いあって
ひじょうに打ち溶け合っているこの日常に満たされちゃってます 神様っ
(猫は遅刻して十二支には入れなかったていたらくだけれど、
もとは神様の化身だとされています だから猫を可愛がると幸福がやってくるのです たぶん 来てね幸せ)


 この状態をおもしろくないのは息子で
そういう私とみるこを見てると嫉妬するから
ますますみることの仲がよろしくなれないのだが・・


 みるこだって息子が後からやってきておいて
それなのに人間だったことが許せないのだ
 おそらくみるこは人間にいつかなれると信じている猫だから
(では、さながら「綿の国星」のちび猫なのかな)


 で、寝つきの悪い私の傍に来てふさふさの冬毛でなぐさめたり
それで布団に入ってそのまま寝込んでしまわずに
私がやはりそのまま眠れないと今度はひとりにしてくれ
そっと下へ降りていったり
 

 ああ・・こんな優しい存在が他にあるだろうかと感激してしまう
私たちはしゃべれないけれど いつもココロ通じ合っているんだもん


 目が覚めた時にそばにみるこが寄りかかって眠っていると
そこはみること私だけの楽園 この上ないまどろみの世界なのだ