わたり廊下のある家

okimituki2006-01-29

 先日見るとはなしに見ていたTVで
超有名ミステリー作家の故山村美沙さんと西村京太郎さんの物語をやっていて
 お二人のことはまるで知らなかったし
ミステリーも読まないので作品にふれた事もなかったわけなのだけれど・・
ただお二人の交流はすごく興味深かったので見入ってしまった


 もともと西村さんに山村さんがファンレターを送ったのがきっかけで知り合ったらしく
その後山村さんが出版社に認められてデビューするくだりがあって
それからだんだんと文壇で活躍していくさまが描かれていた


 西村さんが山村さんに想いを寄せていたが、山村さんには
子どももいて家庭があったらしいので、プロポーズはあっさり断られるのだが
しばらくして西村さんが京都に移り住んだりしてなんとか交流は継続されたとなっている
 しかしその交流の親密ぶりに周囲からは
色んな詮索をされたり誹謗・中傷されながらの執筆活動のなか
 京都に本館と別館でお互いが行き来するわたり廊下のある家を
おたがいが買って、あからさまに隣同士で住みながら
 作家という同じ世界で生きる戦友として交流を続けたというもので


 出会うべくして人は人と出会ってしまうものでもあるのだけれど
そこで枠にとらわれないで、人から何を言われても
貫き通せる生き方そのものが
やはりお二人は作家たりえていたのだという感じさえした


 そういうことを現実に成立させてしまえた事実
 それをお互いが恋愛とか結婚とかそういうものを越えて
とても純粋に一途に守ろうとしている姿はいじらしすぎた


 無謀と思われるようなことをやってのける人がいる
 あるいはそれというのはやろうとしてできたことではなく
結果そうにしかなれなかったということで たとえ あっても


 そこにだけ通じる何かを人はつくりだす事はできるのかもしれない
 一縷の希望は手放さなければ 
いつも どんなときも どこかで 瞬きつづけていけるのだと