本日の投稿分

okimituki2006-10-27

076:あくび 
まひるまの月のあくびが憎しみが真冬に蔓延しない間(ま)に逃げよう
077:針    
干からびた砂地にかつてなくしたままの羅針盤を見つけた9月
078:予想    
予想したようには生きてゆけない夜の底 そこで信じたきみだけが咲く
079:芽
逃げないでいたそのなみだだからこそ発芽するときまばゆく熱い
080:響      
やりきれない巻貝の残響よとおりすぎてく舟ばかりです
081:硝子
泣かないで嘆きのきのう動かせば ぼくは硝子のゼンマイでした
                    
                         小軌みつき